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2022年8月19日

理化学研究所

クラウドファンディング「仁科芳雄の研究室を復元~科学する心を次の世代へ~」の募集を開始

理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センターは本日10時より、クラウドファンディング「仁科芳雄の研究室を復元~科学する心を次の世代へ~」を公開、寄付募集を開始いたしました。理研のクラウドファンディングとしては、2022年7月27日に開始した「科学史を未来へ繋ぐ~理化学研究所 資料修復・保存プロジェクト~」に続き、第2号となります。

仁科加速器科学研究センターは、日本の原子核物理の父・仁科芳雄の名前を冠した研究センターです。センターの源流となった仁科芳雄は1931年、現在の東京都文京区駒込にあった理研で仁科研究室を創設し、素粒子などの理論物理学やサイクロトロンを利用した原子核物理学の実験研究、原子力工学、宇宙線研究などの基礎研究を進めました。さらにそれらの研究成果を応用研究や社会実装へと展開させました。

昨年は仁科研究室創設90周年を迎えるなど記念すべき節目が重なりました。そしてこの度、現代の基礎科学の礎を築いた仁科芳雄の数々の業績を振り返り、今後の100年へとどのように研究を発展させ後世に伝えてゆくのかを考えるため、「仁科芳雄博士記念行事」を行うこととしました。

その記念行事の一環として、公益財団法人仁科財団より譲り受けた仁科芳雄が当時使用していた机や椅子などを用いて、仁科研究室を再現した展示スペース「仁科芳雄記念室」を制作します。

仁科芳雄記念室は、在りし日の仁科研究室を復元するだけでなく、仁科研究室から生まれた数々の業績、日本における物理学の歴史なども展示しながら、仁科芳雄が育んだ自由闊達な雰囲気の中、活発に議論していた様子(コペンハーゲン精神)を感じていただける展示スペースとします。

この記念室を通じ、将来を担う若い世代の方々に仁科芳雄の業績や志に触れてもらうことにより、学問への興味関心を育む機会を提供し、長期的な視点で人材育成にも貢献します。

さらに、クラウドファンディングでの寄付募集を契機として、仁科加速器科学研究センターの研究活動や取り組みなどを広く知っていただくことを期待しています。

プロジェクト概要

タイトル

仁科芳雄の研究室を復元~科学する心を次の世代へ~

実行者

理化学研究所 仁科加速器科学研究センター

目標金額

1,000万円

形式

寄付金控除型/All-in形式

  • All-in形式は、目標金額の達成の有無に関わらず、集まった支援金を受け取ることができる形式です。

公開期間

2022年8月19日(金)~2022年10月31日(月)23時

資金使途

仁科芳雄記念室の制作

メッセージ

櫻井 博義の写真

理化学研究所 仁科加速器科学研究センター長 櫻井 博儀

ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹、朝永振一郎を大多数の方はご存じだと思いますが、彼らが師事した仁科芳雄博士の存在はあまり知られていません。仁科博士が90年前に理研で設立した仁科研究室は、昭和の激動期で異彩を放っていました。権威主義から脱却し、ホンモノを追求する環境を整え、優秀な人材がきら星の如く切磋琢磨し、日本の現代物理学が醸成されていきました。

今回制作する記念室では、仁科博士の功績を展示するだけでなく、血気盛んな若い研究者ががむしゃらに真理を追究した研究現場を再現します。

多くの方々が記念室の意気を感じ、未来に向かって前進する契機となれば、これ以上の喜びはありません。みなさまのご賛同、ご意思も訪問された方々に響くことを願っております。

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