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2022年9月12日

理化学研究所
東京大学

日本全国の子ども(小中高生)を対象とした「子ども睡眠健診」プロジェクトを開始

理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター合成生物学研究チームの上田泰己チームリーダー(東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻システムズ薬理学教室教授)らは、全国の子ども(主に小中高生)を対象として、ウェアラブルデバイスを用いた児童・生徒の睡眠測定を実施し、日本の子どもの睡眠実態の把握と、子ども・保護者に対して睡眠衛生に関する理解増進を推進する「子ども睡眠健診」プロジェクトを開始しました。10月22日(土)にキックオフシンポジウムをオンライン開催します。

背景

これまで上田チームリーダーらは、人々の睡眠に関するデータを大規模に取得し、将来的に睡眠測定を日常的に行って健康増進につなげる取り組み(睡眠健診運動)を推進してきました。成長期の子どもにとっての睡眠は、学力や体力、心身の健康の保持増進などに重要であることが示されており注1)、社会的関心も高まっています。これまで、産業界での従業員の健康に対する働きかけや、市販のスマートウォッチでの活動量の計測、スマートフォンアプリによる睡眠把握など、成人の睡眠の実態把握に関する取り組みは進んできましたが、成長期の子どもに関する研究は多くありません。その理由として、適切な技術的支援が不足していたことが挙げられます。

そこで上田チームリーダーらは、特に小学生・中学生・高校生に焦点を当て、学校現場への技術的支援も含めた「子ども睡眠健診」プロジェクトを始めます。参加者および参加者の保護者に睡眠測定を身近に感じてもらうとともに、日々の睡眠に対する意識付けを行うことで、子どもの生活リズムの改善や健やかな発育・発達につなげることを目指します。

  • 注1)Paruthi S. et al., Recommended Amount of Sleep for Pediatric Populations: A Consensus Statement of the American Academy of Sleep Medicine. J Clin Sleep Med. 2016 Jun 15;12(6):785-6.

「子ども睡眠健診」プロジェクト概要

  • 腕時計型のウェアラブルデバイス(図)で多くの子どもの睡眠を測定し、独自に開発した最先端のアルゴリズム「ACCEL」[1]注2)で解析することにより、客観的睡眠測定に基づいた「健康な睡眠」の定義に迫る研究を推進する。
  • 全国の小中高生の睡眠の実態を把握し、子どもや保護者、学校に睡眠測定を体験してもらう。さらに、測定結果のフィードバックを通じた睡眠衛生の理解増進と、一連の取り組みを通じた睡眠リテラシーの向上を目指す。
  • 参加者は専用ウェアラブルデバイスを郵送で受け取り、それを1週間装着したまま生活し、睡眠日誌を記入する。その後、ウェアラブルデバイスと睡眠日誌を返却し、測定結果のフィードバックを受け取る。
  • 実施期間は2025年度までで、ひと月当たり最大1,000人の計測を行う見込み。
腕時計型ウェアラブルデバイスの画像

図 腕時計型ウェアラブルデバイス

本プロジェクトの詳細や参加申し込み方法は、「子ども睡眠健診」プロジェクトのウェブサイトからご確認ください。

今後の展望

このプロジェクトを通じて、次の目標の達成を目指します。

  • 1.子どもの定量的な睡眠測定に対するハードルを下げ、日本の子どもの睡眠の実態把握を容易にする
  • 2.学校での健康教育の一環として、睡眠改善のための取り組みを効果的に実施できるようにする
  • 3.参加者には自分の睡眠パターン、生活パターンを把握し、自身の生活習慣改善・健康に対する意識向上につなげてもらう

睡眠は身近な問題であり、社会的関心の高いものです。子どもの睡眠を客観的に測定し、結果を還元する仕組みを構築することは、「睡眠測定を通じた健康管理を当たり前にする」社会の基盤になります。子どもの睡眠問題の把握と解決は、未来を担う若者たちの健やかな成長と発達に寄与し、大きな社会的インパクトと価値を持ちます。

関連シンポジウム

「子ども睡眠健診運動・キックオフシンポジウム」

日時
2022年10月22日(土)13時30分~16時30分(予定)
概要
児童・生徒の睡眠の現状に関する講演と、「子ども睡眠健診」プロジェクトに関する研究者からの説明を行います。プログラムは後日ERATO上田生体時間プロジェクトのウェブサイトでお知らせします。
開催形式
オンライン(事前登録制)

補足説明

  • 1.ACCEL
    腕の動きを基に睡眠覚醒状態を判別する方法。3軸方向の加速度を用い、腕の動きから、睡眠・覚醒状態を判定する。従来の方法に比べて睡眠中の覚醒を検出する特異度に優れ、中途覚醒の検出ができる方法である。

研究支援

本プロジェクトは、科学技術振興機構(JST)の支援のもと、戦略的創造研究推進事業(ERATO)上田生体時間プロジェクトによって推進されます。

発表者・機関窓口

発表者

理化学研究所 生命機能科学研究センター 合成生物学研究チーム
チームリーダー 上田 泰己(ウエダ・ヒロキ)
(東京大学 大学院医学系研究科 機能生物学専攻 システムズ薬理学教室 教授)

東京大学 大学院医学系研究科 機能生物学専攻 システムズ薬理学教室
特任講師 岸 哲史(キシ・アキフミ)

本プロジェクトに関する問い合わせ先

東京大学 大学院医学系研究科 機能生物学専攻 システムズ薬理学教室
JST ERATO 上田生体時間プロジェクト
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
Tel: 03-5841-3415 / Fax: 03-5841-3418
ウェブサイト:「子ども睡眠健診」プロジェクトのウェブサイト

機関窓口

理化学研究所 広報室 報道担当
お問い合わせフォーム

東京大学 医学部・医学系研究科 総務チーム
Email: ishomu [at] m.u-tokyo.ac.jp

※上記の[at]は@に置き換えてください。

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