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2022年11月9日

理化学研究所

「仁科芳雄記念室お披露目会」およびシンポジウム「理化学研究所仁科研究室のキセキ」を開催しました

理化学研究所(理研)は10月28日、「仁科芳雄記念室お披露目会」およびシンポジウム「理化学研究所仁科研究室のキセキ」を開催しました。

日本原子物理学の父・仁科 芳雄は、1931年、当時東京駒込の地にあった理研で仁科研究室を創設し、素粒子などの理論研究やサイクロトロンを利用した原子核物理学の実験研究、原子力工学、宇宙線研究などの基礎研究を進め、応用研究や社会実装へも展開させました。

昨年で仁科研究室創設90周年を迎えたことや、公益財団法人仁科記念財団より譲り受けた博士の机や椅子などを用いて研究室を再現した展示施設「仁科芳雄記念室」の新設を記念して、執り行われました。

お披露目会では、柴﨑 光子 和光市長を来賓としてお迎えし、仁科 芳雄ゆかりの方々にご臨席いただきました。五神 真 理事長は「この日を迎えることができ、大変嬉しく思う。新たな「仁科芳雄記念室」を訪れた人々が、当時の様子を肌で感じ、先生の思いに触れることができるのではないかと感じている」と挨拶しました。また五神 理事長から公益財団法人仁科記念財団の小林 誠 理事長に感謝状が贈呈されたほか、テープカットが行われました。

テープカットの写真

(写真左から田邉 芳男 科研製薬株式会社取締役、小林 誠 仁科記念財団理事長・日本アイソトープ協会会長、五神 真 理事長、加藤 泰久 科学振興仁科財団理事長・里庄町長、柴﨑 光子 和光市長)

続いて行われたシンポジウムでは、井出 庸生 文部科学副大臣らを来賓に迎え、研究者や民間企業、自治体などの関係者、一般の約130人がハイブリッド形式で参加しました。

シンポジウムの冒頭、小安 重夫 理事は、仁科研究室が日本の現代科学の源流となっていることや、仁科加速器科学研究センター(仁科センター)の現在の研究活動を発信することの意義を強調しました。

記念講演として、東京大学大学院 総合文化研究科 岡本 拓司 教授、東京大学 宇宙線研究所の梶田 隆章 教授に登壇いただき、仁科研究室の歴史や仁科芳雄が切り拓いた宇宙線研究とその後の発展について紹介いただきました。

その後、仁科研究室を源流とする仁科センターの研究者、上坂 友洋 スピン・アイソスピン研究室長、阿部 知子 イオン育種研究開発室長、羽場 宏光 RI応用研究開発室長、上垣外 修一 加速器基盤研究部長の4名が世界最高性能を誇る重イオン加速器施設「RIビームファクトリー(RIBF)」を利用した研究の最前線について講演しました。

最後に櫻井 博儀 センター長は、「RIBFは欧米のモノマネではない日本人の発案によって建設された施設で、原子核物理学の国際研究拠点、国際頭脳循環拠点であり、日本の産業界を支える社会基盤にもなっている」と述べ、「今後も仁科研究室の伝統を引き継ぎ、世界最先端の研究開発や社会問題の解決に向け、挑戦しつづける」と締めくくりました。

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