理化学研究所(理研)計算科学研究センターの松岡 聡 センター長がスーパーコンピュータの最高峰の業績賞である「クレイ賞[1]」("IEEE Computer Society Seymour Cray Computer Engineering Award")の2022年受賞者に選出され注1)、その授賞式が、米国テキサス州ダラスのケイ・ベイリー・ハッチソン・コンベンション・センター ダラスおよびオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC22」において、11月15日に執り行われ、さらに同会議の11月16日には記念招待講演が行われました。
「クレイ賞」受賞は日本人3人目[2]ですが、松岡 センター長は2014年に「シドニー・ファーンバック賞[3]」("IEEE-CS Sidney Fernbach Award")を受賞しています。
「クレイ賞」はシーモア・クレイの精神に則り高性能計算システムの独創的な研究開発への貢献であり、「シドニー・ファーンバック賞」は大規模スーパーコンピュータを実際の問題に適用する際の独創的なアプローチを評価するものです。つまり、スーパーコンピュータを創る、その上で使うという両面での独創性が両賞受賞の意義であり、それを同一人物が達成したのは史上初めてになります。
- 注1)2022年10月6日お知らせ「松岡 聡 センター長がスーパーコンピュータの最高峰の業績賞である「クレイ賞」を受賞」
「クレイ賞」授賞式
「クレイ賞」記念招待講演
記念招待講演時のコメント
子供のころ、宇宙に憧れていた私にとってのヒーローは、フォン・ブラウンでした。そしてコンピュータを知ってからはシーモア・クレイが私のヒーローでした。そのクレイの名前を冠する賞を受賞出来て大変光栄です。
今回の受賞は何百人、何千人の仲間とやってきた仕事が評価されてのもので心から感謝しています。
関連リンク
IEEE Computer Society による受賞アナウンス: Matsuoka Receives 2022 IEEE CS Seymour Cray Award(英語)
補足説明
- 1.クレイ賞
「スパコンの父」とも称されるシーモア・クレイ(Seymour Cray)氏の名を冠したIEEE Computer Societyの最高レベルの業績賞の一つで、スーパーコンピュータ・HPC分野に対する重要かつ革新的な貢献に対して授与されるスパコン界の最高峰賞。1997年に設立。 - 2.日本人3人目
過去の受賞者は渡辺 貞 氏(理化学研究所:2006年)、三浦 謙一 氏(株式会社富士通研究所:2009年) - 3.シドニー・ファーンバック賞
大規模計算問題解決のための高性能コンピュータの開発と応用における先駆者の一人であるシドニー・ファーンバックを記念して1992年に設立された。革新的なアプローチによる高性能コンピュータの応用で顕著な貢献をした者に贈られる。
報道担当
理化学研究所 神戸事業所 計算科学研究推進室 広報グループ
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理化学研究所 広報室 報道担当
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