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2023年12月8日

理化学研究所
慶應義塾大学 医学部
九州大学 生体防御医学研究所

「健康長寿につながる動的回復力」の研究課題が「Wellcome Leap Dynamic Resilience」プログラムに採択

理化学研究所(理研)は、慶應義塾大学 医学部、九州大学と共同で、医学研究支援等を目的とした英国ウェルカム・トラスト(The Wellcome Trust)を母体とする米国の非営利公益法人Wellcome Leapと科学的根拠に基づいたプログラムを通じ持続可能な長期的な解決策の提供を目的としたシンガポールを拠点とする非営利団体Temasek Trustが共同出資する世界的なダイナミック・レジリエンス・プログラムに採択され、大規模な研究資金を獲得しました。理研 脳神経科学研究センターの笹栗 弘貴 ユニットリーダーを中心とする研究グループは、百寿者・超百寿者から得られたヒト生体サンプルを用いて、百寿者・超百寿者が有する優れた「ダイナミック・レジリエンス(動的回復力)」、すなわち加齢性変化に対する健康維持に寄与すると考えられる免疫系メカニズムの解明に取り組みます。同研究グループには、理研 生命医科学研究センターの石垣 和慶 チームリーダー、慶應義塾大学 医学部の佐々木 貴史 専任講師、前田 純宏 専任講師、本田 賢也 教授、九州大学の増田 隆博 教授らが参加します。

健康におけるレジリエンス(回復力)とは、感染症、外傷、手術、脳卒中などの重大なストレス事象の後、損傷または疲弊した状態から回復する能力を言います。これらのストレス下においては、中枢神経系と末梢系における免疫機能が深く関与し、回復に重要な役割を果たしています。百寿者・超百寿者は90歳代後半まで健康寿命を維持する傾向があり、健康回復力の究極の表現型といえます。笹栗 ユニットリーダーは、「百寿者には、ストレスからの回復を促す独自の免疫機能が備わっている可能性がある。」とコメントしています。

今後、研究グループは、百寿者の回復力と健康的老化における免疫機能の関与を探るため、百寿者と超百寿者から得たサンプルを分析し、健康的老化の新たな動物モデルの作製を試みます。これらのサンプルやモデルの解析を通じて、動的回復力の新規バイオマーカーや治療標的を同定し、この知見を活用することによってストレス事象に対する健康回復力を向上させ、すべての人の健康的な老化を実現することを目指します。

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