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2025年2月28日

理化学研究所

理研が次世代医療基盤法に基づく仮名加工医療情報利用事業者に初認定

-健康・医療データを用いたAI予測医学研究等の進展に期待-

2025年2月28日、理化学研究所(理研)は、次世代医療基盤法(正式名称:医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報及び仮名加工医療情報に関する法律)に基づく仮名加工医療情報利用事業者に認定されました。理研は、他の事業者とともに、初めての仮名加工医療情報利用事業者認定を受けた事業者となります。

これにより、次世代医療基盤法に協力する医療情報取扱事業者(2025年2月17日現在で152事業者)から提供され、国の認定を受けた仮名加工医療情報作成事業者において仮名加工された健康・医療データを、適切な安全管理措置の下、理研のAI予測医学などの研究に利用することが可能になります。また、今回の理研の取り組みは、他の大学・研究機関が仮名加工医療情報を利用する際の先駆的な事例になります。

次世代医療基盤法に基づく認定の概要

次世代医療基盤法は、国民・患者の医療情報を、個人を特定できないように加工し、新薬や治療法などの研究開発に役立てるための法律です。2023年に法律が改正され、それまでの「匿名加工医療情報」に加えて、新たに「仮名加工医療情報」の作成・提供が可能となり、2024年4月から施行されています。

仮名加工医療情報は、元の健康・医療データから氏名などの単体で個人を識別できる情報は削除されますが、医療に関するデータの削除、改変は最小限にとどまります。そのため仮名加工医療情報を利用するには、次世代医療基盤法に基づく国の認定を受けて、適切な安全管理措置を実施する必要があります(図)。

理研は、健康・医療データを用いた医科学研究を目的として、次世代医療基盤法に基づく仮名加工医療情報利用事業者の認定申請を行い、2025年2月28日、主務府省(内閣府、文部科学省、厚生労働省および経済産業省)により認定されました注)。理研は、次世代医療基盤法に基づき、仮名加工医療情報の利用を適正かつ確実に行うことができると初めて認定された事業者の一つです。

次世代医療基盤法の概要図

図 次世代医療基盤法の概要(内閣府提供)

理研の認定取得の意義と今後の展開

理研は、これまで、国立研究開発法人科学技術振興機構「イノベーションハブ構築支援事業」の支援を受けた医科学イノベーションハブ推進プログラムや先端データサイエンスプロジェクトなどにおいて、国内の大学・研究機関に先駆けて、健康・医療データ(リアルワールドデータ)を用いたデータ駆動型の予測医学研究に取り組んできました。また、情報統合本部 基盤研究開発部門 医科学データ共有開発ユニット(清田 純 ユニットリーダー)において、ゲノム情報などの個人情報を安全に管理しつつ解析を実施することが可能な研究データ解析環境を開発・構築し、2024年10月から運用を開始しています。

こうした理研の知見・経験や情報環境を基に、仮名加工医療情報を利用した医科学研究を推進します。

理研の認定取得の意義

理研では従来、理研との共同研究を行う医療機関から提供された医療データを基に医科学研究を実施してきました。今後は、仮名加工医療情報利用事業者の認定取得により、仮名加工医療情報作成事業者(医療情報を取得・整理・加工して仮名加工医療情報を作成・提供する事業者)から提供される健康・医療データも理研の医科学研究に利用することが可能になります。利用可能な健康・医療データの増大により、医科学研究の一層の進展が期待されます。

また、理研は特定国立研究開発法人に位置付けられています。特定国立研究開発法人は、「特定国立研究開発法人による研究開発等を促進するための基本的な方針」(平成28年6月28日閣議決定)において、「イノベーションシステムを強力に牽引する中核機関としての役割を果たす中で、科学技術イノベーション政策推進のために政府が推進する制度改革、制度運用の改善に関する取組が先駆的に実施される主体となる」ことが期待されています。今回の認定取得は、特定国立研究開発法人として、その役割・期待に応える事例となります。

今後の展開

理研は、今後、仮名加工医療情報を安全に管理しつつ、適切に利用することによって、健康・医療データを用いたAI予測医学研究などを強力に推進していきます。

関連リンク

問い合わせ・機関窓口

理化学研究所 情報統合本部 情報統合研究推進室
Email: isr_core [at] ml.riken.jp
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