
この度の松本 紘 前理化学研究所理事長の訃報に接し、心からお悔やみを申し上げます。
在任期間中には、理研に対する社会からの期待の高まりに応えるため、さまざまな野心的施策を進め、革新知能統合研究センター、数理創造プログラム(現 数理創造研究センター)及び量子コンピュータ研究センター開設をはじめ、2018年からの第4期中長期計画推進等、理化学研究所の発展に尽力されました。
また国立研究開発法人への移行と特定国立研究開発法人への指定、出資法人設立といった法改正等の国からの求めに的確かつ迅速に応え、組織整備を進める等の経営機能の強化に尽力されました。
そのほかにも、113番元素「ニホニウム」命名、創立百周年記念式典、スーパーコンピュータ「富岳」の共用開始等の大きなイベントに理事長として立ち会われ、理化学研究所に多大なる貢献をされ、歴史に残る数々の功績を築かれました。
常に研究者一人ひとりに寄り添い、自由で挑戦的な研究環境の実現を目指して進まれた姿勢は、多くの研究者にとって大きな励みとなりました。困難を乗り越えながらも常に前を見据え、研究者たちを温かく支え、挑戦を促すその姿は、今も多くの人々の心に強く刻まれております。
松本 前理事長が築かれた礎をより大きく発展させるべく、理研役職員一同、職務に邁進する所存です。
長年にわたる先導的なご活躍に敬意を表し、謹んで哀悼の念を込め、ご冥福を心からお祈り申し上げます。
2025年6月16日
理化学研究所理事長 五神 真