1. Home
  2. 広報活動
  3. お知らせ
  4. お知らせ 2025

2025年6月18日

理化学研究所

「富岳NEXT」の全体システムなどに関わる基本設計の業務実施者を富士通株式会社に決定

理化学研究所(理研)は、スーパーコンピュータ「富岳」[1]の次世代となる新たなフラッグシップシステム(開発コードネーム:「富岳NEXT」)注)に関する全体システムおよび計算ノード、CPU(中央演算装置)部の基本設計を行う業務実施者に関して、その選定を一般競争入札により実施し、落札者である富士通株式会社[2](時田 隆仁代表取締役社長、以下「富士通」という。)と契約を締結しました。

「富岳NEXT」の基本設計においては、「富岳」で培った性能追求の知見に加え、富士通が現在開発中の汎用CPU「FUJITSU-MONAKA」[3]で適用する先進的な技術を融合・進化させた後継CPU「FUJITSU-MONAKA-X」(仮称)を開発することを念頭に検討を進め、今後決定する加速部の基本設計を行う企業(ベンダ)とも連携することで、「富岳」で開発されたアプリケーション資産の継承と高度化、最先端のAI処理加速性能を実現していきます。

このことにより、世界をリードする計算基盤として重要となる国産のCPU技術の強化が図られるほか、シミュレーションとAIの両者において世界最高水準の性能を達成しつつ、シミュレーションとAIとが密に連携して処理を行うことで科学上の仮説生成や実証を含むサイエンスを自動化・高度化する「AI for Science[4]」のための新たな計算基盤の実現につながります。

また、富士通との協業により、理研が「富岳NEXT」の開発方針に掲げる「Made with Japan」でうたう、「世界的に訴求力のある国産技術の高度化」、「技術継承を進めることによる情報産業での戦略的不可欠性の確保」、「グローバルマーケットへの展開」に結び付くと期待されます。

今後、理研は、計算科学研究センターが中心となり、富士通および2025年8月を目途に選定を進めている加速部ベンダと連携し、「富岳NEXT」のシステム設計を進めていきます。また、理研神戸地区隣接地に「富岳NEXT」を設置する新たな建屋の整備を並行して進めていく予定です。

参考

補足説明

  • 1.スーパーコンピュータ「富岳」
    スーパーコンピュータ「京」の後継機。2020年代に、社会的・科学的課題の解決で日本の成長に貢献し、世界をリードする成果を生み出すことを目的とし、電力性能、計算性能、ユーザーの利便性・使い勝手の良さ、画期的な成果創出、ビッグデータやAIの加速機能の総合力において世界最高レベルのスーパーコンピュータとして2021年3月に共用が開始された。現在「富岳」は日本が目指すSociety 5.0を実現するために不可欠なHPCインフラとして活用されている。
  • 2.富士通株式会社
    富士通ウェブサイト
  • 3.「FUJITSU-MONAKA」
    FUJITSU-MONAKA : 富士通
  • 4.AI for Science
    AIとシミュレーション、多様なデータを組み合わせるなどして、科学技術にAIを活用し、研究プロセスを大きく加速させる取り組み。これにより、さまざまな分野で画期的な科学技術イノベーションをもたらすことが期待される。理研では、「AI for Science」を推進するため、AIを活用したさまざまなシミュレーションなどの研究に取り組むとともに、最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)事業の一環として2024年度にライフ・材料などの科学研究のための基盤モデルの開発・活用を行う「AGIS」プログラムを新たに開始している。

機関窓口

理化学研究所 神戸事業所 計算科学研究推進部 アウトリーチグループ
Email: r-ccs-koho@ml.riken.jp

理化学研究所 広報部 報道担当
お問い合わせフォーム

Top