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2019年11月22日

自然科学研究機構 基礎生物学研究所
理化学研究所

マメ科植物の根粒と側根の発達は共通した遺伝子が制御することを発見

窒素は全ての生物が生命を維持するために必須な成分です。一般に植物は硝酸塩やアンモニアといった窒素栄養素を土壌から吸収します。一方、マメ科植物は、根粒と呼ばれる特殊な器官に窒素固定細菌を共生させており、ほとんどの生物が利用できない空気中の窒素を栄養素として使うことができます。そのために、マメ科植物は窒素栄養素が乏しい痩せた土地でも生育することができます。根粒共生は、植物にとっても、またその恩恵に預かる我々にとっても大変有用な形質ですが、マメ科植物とマメ科に近縁な一部の植物だけで見られる現象です。これまでの研究により、根粒共生に関わる遺伝子についての情報は次第に蓄積されてきていますが、マメ科植物の根粒共生の能力が進化の過程でどのように獲得されてきたのかは、よく分かっていませんした。基礎生物学研究所 共生システム研究部門の征矢野敬准教授と理化学研究所 環境資源科学研究センター 植物共生研究チームの林誠チームリーダーは、基礎生物学研究所 川口正代司教授、農業・食品産業技術総合研究機構 下田宜司主任研究員と共同で、根粒共生における根粒の形成過程に、植物が一般的に持つ側根の形成メカニズムの一部が流用されていることを新たに発見しました。マメ科植物モデル植物のミヤコグサを用いて、側根の形成を制御する遺伝子として知られるASL18a遺伝子が、他の根粒形成遺伝子と協調しながら根粒の発達を制御することを明らかにしました。これは、マメ科植物の根粒共生の能力が、植物に一般的な既存のシステムを上手く取り入れながら獲得されてきたことを示すものです。

詳細は自然科学研究機構 基礎生物学研究所のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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