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2020年11月19日

大阪大学
農業・食品産業技術総合研究機構
理化学研究所
千葉大学

植物の甘味成分グリチルリチンの酵母生産に成功

-最後の1ピースの酵素遺伝子の発見、植物バイオテクノロジーで大豆の育種にも貢献-

大阪大学大学院工学研究科の村中俊哉教授(理化学研究所客員主管研究員兼任)、關 光准教授(理化学研究所客員研究員兼任)、Soo Yeon Chung博士課程学生(日本学術振興会特別研究員)らの研究グループは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(次世代作物開発研究センターと生物機能利用研究部門)の石本政男 研究領域長、理化学研究所環境資源科学研究センターの斉藤和季センター長(千葉大学植物分子科学研究センター センター長兼任)らと共同で、植物が産生するトリテルペン配糖体の生合成に関わるグルクロン酸転移酵素を発見し、本遺伝子を導入した酵母でグリチルリチンを生産することに世界で初めて成功しました。

これまでの数多くの研究から、トリテルペンを含む多様な植物低分子化合物の配糖体化は、UDP糖依存型配糖体化酵素(UGT)と呼ばれる一群の酵素ファミリーが触媒することが定説となっていました。しかしながら、トリテルペン骨格にグルクロン酸(単糖の一種)を転移する配糖化酵素については未解明でした。

今回、村中教授らの研究グループは、遺伝子共発現解析と呼ばれる機能未知遺伝子の機能予測手法を用いて、UGTとは全く異なるセルロース合成酵素スーパーファミリーに属するタンパク質がトリテルペン骨格にグルクロン酸を転移する配糖化酵素であることを初めて明らかにしました。さらに、本遺伝子を含む7個の植物遺伝子を導入した酵母がグリチルリチンを生成することを確認しました。これにより、本酵素遺伝子を導入した酵母や植物培養細胞をもちいた有用サポニンの工業生産への応用が期待されます。

詳細は大阪大学 ResOUのホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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