国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学理学研究科の野口巧教授、嶋田友一郎特任助教(研究当時)、長尾遼特任助教(研究当時)、北島(井原)智美研究員、松原巧博士前期課程学生の研究グループは、理化学研究所環境資源科学研究センターの堂前直ユニットリーダーおよび鈴木健裕専任技師との共同研究により、光合成酸素発生酵素である光化学系Ⅱのアミノ酸変換が、太古の地球における酸素発生の起源となったという新たな仮説を提唱しました。
光合成による酸素発生は、植物やシアノバクテリアの光化学系Ⅱタンパク質中の酸素発生系において、光エネルギーによる水の分解として行われます。酸素発生系を構成するアミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸)を遺伝子レベルで別のアミノ酸に改変すると、それらのアミノ酸はタンパク質合成後に本来のアミノ酸に変換され、酸素発生が回復する現象を見出しました。
このタンパク質レベルでのアミノ酸変換によって、祖先型光化学系Ⅱにおいて最初の酸素発生系が形成され、太古の地球において光合成による酸素発生が始まったと推測されます。
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報道担当
理化学研究所 広報室 報道担当
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