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2022年12月20日

群馬大学
理化学研究所

インスリン受容体の遺伝子疾患モデルの確立

-キイロショウジョウバエを用いた発症制御可能な糖尿病の病態モデル-

群馬大学 生体調節研究所(群馬県前橋市)の西村 隆史 教授と理化学研究所 生命機能科学研究センターの坂西 綱太 研究員(研究当時)の研究グループは、さまざまな疾患のモデル生物として利用されているキイロショウジョウバエを用いて、新たに血糖調節に関連するホルモンであるインスリンの受容体の温度感受性変異体を発見し、2型糖尿病の遺伝子疾患モデルとしての有用性を示しました。

遺伝学のモデル生物であるキイロショウジョウバエは、肥満や糖尿病などの代謝疾患モデル生物として、近年、世界中で盛んに研究が進められています。これまでに、肥満様の病態を示す遺伝モデルは複数確立されているものの、インスリンに対しての効果が減弱している「インスリン抵抗性」やそのほかの糖尿病様の病態を示す有用な遺伝モデルは存在しませんでした。

今回、研究チームが新たに発見したインスリン受容体の点変異遺伝子をもつ変異体を詳細に解析したところ、飼育温度に依存してインスリンに応答した細胞内情報伝達が減弱し、個体成長の異常や代謝異常を示すことが明らかになりました。さらに、慢性的に高糖質食を摂取し、インスリン抵抗性が生じた野生型のキイロショウジョウバエと本研究で樹立した変異体を比較解析し、類似した代謝異常が生じることを明らかにしました。本研究成果により、飼育温度を調節することで、任意のライフステージでインスリンの働きを低下させ、病態モデルを簡便に誘導することが可能となり、糖尿病のメカニズム探索や治療研究に寄与することが期待できます。

詳細は群馬大学 生体調節研究所のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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