2023年11月14日
東京大学
理化学研究所
脳予測に関わる誤差信号が高次聴覚野から一次聴覚野へフィードバックすることを発見
-ミスマッチ陰性電位の正体の一端が判明-
理化学研究所 脳神経科学研究センター 脳機能動態学連携研究チームの小原 慶太郎 基礎科学特別研究員(研究当時)、東京大学大学院 医学系研究科 細胞分子生理学分野の松崎 政紀 教授(理化学研究所 脳神経科学研究センター 脳機能動態学連携研究チーム チームリーダー)、山梨大学 医学部の宇賀 貴紀 教授、理化学研究所 脳神経科学研究センター 高次脳機能分子解析チームの山森 哲雄 チームリーダー(研究当時、現 触知覚生理学研究チーム 客員主管研究員)、自然科学研究機構 生理学研究所の小林 憲太 准教授、自治医科大学の水上 浩明 教授、東京大学 医学部附属病院 精神神経科の笠井 清登 教授らの研究チームは、霊長類コモンマーモセットの大脳皮質聴覚野の神経活動を高い空間解像度でイメージングすることで、同一の音がある時間間隔で繰り返して鳴っているときに、予測できない音(逸脱音)が入り込むとその直後に、高次聴覚野前方部から一次聴覚野へ予測誤差信号がフィードバックすること、これが一次聴覚野の逸脱音に特異的な反応成分(ミスマッチ陰性電位)の正体であることを明らかにしました。
今回の成果は、統合失調症患者で減弱するミスマッチ陰性電位のメカニズム解明へつながり、統合失調症をもたらす精神疾患に対する新たな治療方法の開発が期待できます。誤差信号のフィードバックの発見は、私たちの大脳皮質の学習原理の解明にも大きく貢献するものです。
詳細は東京大学の報道発表資料(PDF)をご覧ください。
報道担当
理化学研究所 広報室 報道担当
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