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基礎科学特別研究員制度

制度概要

科学技術のさらなる発展のために、創造的・基礎的な研究の推進を期待される、発想の自由な若手研究者に活躍の場を提供することを目的としています。創造性、独創性に富む優秀な若手研究者が自由な発想で主体的に研究できる場を、当研究所において提供する制度です。

歴史

本制度は、科学技術庁(現文部科学省)が平成元年(1989年)10月に、科学技術振興政策の一環として当研究所と連携、創設しました。

特色

  • 1.当研究所を研究実施場所として、自らが希望する研究課題と理研の研究領域を勘案して設定した研究課題を自主的に推進することができます。
  • 2.受け入れ研究室の所属長から、研究課題を自主的に遂行できるよう支援を受けることができます。
  • 3.当研究所の各種施設・機器等を可能な限り活用できます。
  • 4.3年契約の任期制研究員(※契約期間中に産前・産後休業、育児休業等を取得した場合には、規定により、契約期間から当該休業の開始日の属する月の初めから終了日の属する月の末までの期間(ただし、重複する期間については、その一方のみを算入した期間)を除くことができます)

公募選考

毎年公募により募集を行い、各分野における所内外の研究者により構成される委員会にて審査(書類審査、面接審査)、選考が行われます。

イベント

基礎科学特別研究員、大学院生リサーチ・アソシエイト、国際プログラム・アソシエイトの各制度在籍者間の交流をはかるイベントを年に数回開催しています。

基礎科学特別研究員制度への応募数・採用数・競争率推移

基礎科学特別研究員制度への応募数・採用数・競争率推移のグラフ

最新の公募について

2025年度採用公募期間:2024年2月5日(月)~4月16日(火) 募集分野:数理科学、物理学Ⅰ、物理学Ⅱ、化学、生物科学、医科学、工学の科学技術分野で、当研究所の研究領域に関連性を有するもの 採用予定数:70名程度

詳細は募集要項を参照してください。

基礎科学特別研究員の卒業生

関口(坂口)仁子さんの写真

加速器技術開発室OB 関口 仁子さん

(東京工業大学 理学院 物理学系 教授)

自由な研究環境で明確な目標を

私にとって基礎科学特別研究員の3年間は、研究者として独り立ちする心構えや研究スタイルを模索し、確立するために必要な期間だったと思います。私が携わっている加速器実験は必ずしも一人でやり遂げる事のできるものではありません。その中で自分がやりたいと思う物理とその為の実験を考え、どのようにして実行してゆくか。一プロジェクトのポスドクではなく、一人の研究者として扱ってもらい、自由に振る舞えた事は、とても有り難く、貴重な経験でした。この時分、原子核実験グループ、加速器グループの仲間との交流から得たものは、現在の私の支えとなっています。
3年間はあっと言う間。理研の自由な研究環境を十分に活かして、目標を明確に 持ち、研究に臨んで頂ければと思います。

倉林大輔さんの写真

基盤技術開発室OB 倉林 大輔さん

(東京工業大学 工学院 システム制御系 教授)

プロ研究者の自覚と刺激

契約書を取り交わし、自分のテーマで研究に専念する!博士課程を終えたばかりだった私にとって、基礎特研は「研究のプロ」を自覚させてくれる、極めて刺激的な立場でした。もちろん、基礎特研にはアドバイザーが付いてくれますし、周囲はプロフェッショナルが揃っていますから、研究者としての歩みを始めたばかりであったり、異分野に飛び込んだ場合でも、多くのサポートが期待できます。任用期限は限られていますが、それだけに同期と真剣に自分の将来を語らったり、自分をどうやって売り込むか考えたりと、研究者人生を歩む上での多くの経験を積むことができました。基礎特研終了後、私は縁あって大学教員となりましたが、研究所での生活や考え方は、いまでも大いに役立っています。

茂木健一郎さんの写真

情報表現研究チームOB 茂木 健一郎さん

(ソニーコンピュータサイエンス研究所 シニアリサーチャー)

研究者の安全基地

研究者には、特有の人生の危機がある。理想に燃えて、探求の道に入る。その際には、どうやって生きていくかということは、実際には考えていない。それでも、生活の苦労はどうしても降りかかってくる。そんな中で、どうやって、真理を追究するという自分の理想を貫くか、誰もが悩むのである。
ご多分に漏れず、博士号取得後いろいろと思いわずらっていた私にとって、理化学研究所の「基礎科学特別研究員」の制度がどれほどありがたかったことか。文字通り、涙が出るほどうれしかった。将来がどうなるのか不安になる中で、研究に打ち込める環境が得られる。今日の私があるのも、基礎科学特別研究員制度のおかげだと断言できる。
人間の発達においては、未知のことにチャレンジするための「安全基地」が必要である。「基礎科学特別研究員」の制度が、私にとっての安全基地になってくれた。その事を、深い感謝の念とともに思い出すのである。

若手研究員の素顔」でも基礎科学特別研究員の活躍が紹介されています。

お問合せ先

理化学研究所 人事部 研究人事課
〒351-0198 埼玉県和光市広沢2番1号
Fax: 048-463-3687
Email: wakate [at] riken.jp
※[at]は@に置き換えてください。

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