2012年9月1日
酵素結晶固定化電極並びにそれを備えるセンサー及び電池
理研No. 07801
発明者
美川 務(理研:遺伝制御科学特別研究ユニット)、重森 康司、中沖 優一郎(株式会社アイシン・コスモス研究所)
背景
酵素の基質特異的な触媒反応と電極反応を共役させるバイオ燃料電池は、糖類等の多種なバイオマスを燃料とでき、常温常圧で発電できるため、安全かつ環境負荷が低いクリーンな電源として注目されています。
バイオ燃料電池の実用化のためには、酵素の触媒機能を最大限に発揮できる酵素電極の構築が求められているが、従来技術には、電極上の酵素が不安定となり酵素結合量に見合った電流値が得られない・適用できる酵素の種類が限定される・酵素を電極表面へ固定化する際の濃度を高めることができないなどの問題点がありました。
概要
本発明者らは、酵素結晶を電極表面に固定化することによって、高密度かつ一定の配向性で酵素を固定化でき、これにより触媒機能を円滑に発揮して従来技術より高い電流応答を示す電極を構築できることを見出しました。
この酵素電極は従来型の酵素電極よりも優れた電極性能を有するので、バイオ燃料電池やバイオセンサーをはじめとして医薬、食品、環境等の種々の産業分野に利用することができます。例えば、消費電力の少ない機器(携帯電話等)や体内埋め込み型のデバイスへの電力供給のための応用が期待されています。
利点
- 従来技術より高出力のバイオ燃料電池を可能にする高性能な酵素電極の提供
応用
- バイオ燃料電池及びバイオセンサー(電池アプリ例:小型電子機器バッテリ、非常用電源)
文献情報
- 1.PCT/JP2011/069060
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