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2018年10月4日

生物脳の神経活動データを活用して設計する視覚等識別用AI

理研No. 07872

発明者

加藤 英之、倉重 宏樹(認知判断モデル連携ユニット)

背景

脳はすぐれた情報処理システムであり、それを模すことは高性能な人工情報処理システムの実現へつながります。近年の深層学習技術は、脳回路の構造にヒントを得ているものの、脳生理実験による計測データを十分に活用したものではありません。脳活動データそのもの(定量的レベル)を活用して開発する脳型情報処理システムは神経科学の工学応用の新たな方向を開くものです。

概要

本技術では、実際に脳から計測したデータを用いて脳型認識システムを構築します。人間(動物一般)に提示する視覚像*(画像データ)と、提示の際の脳活動計測データのペアを記録して解析し、脳活動に最も良く反映されている視覚像の「特徴」と対応する脳活動の「特徴」をカーネル正準相関分析法を用いて同時に同定します。同定された視覚像の特徴量を使って脳型感覚認識システムを構築することにより、生物の脳と同様の高い識別パフォーマンスを持つ装置を設計します。
※上記では「視覚」と説明しているが五感全てに適用可

脳計測データ駆除型脳型感覚認識器の図

図1:脳計測データ駆動型脳型感覚認識器の設計

利点

  • 脳の高い知覚情報処理能力の直接的利用
  • 脳に親和性の高い特徴量の利用
  • 脳情報処理の任意の階層での情報表現利用

応用

  • 次世代の脳型知覚認識装置の開発
  • 脳型特徴量を用いた情報処理技術一般の開発
  • 脳に親和的なシステム開発

文献情報

  • 1.特許第5802916号
  • 2.Hiroki Kurashige, Hideyuki Câteau, A Method to Construct Visual Recognition Algorithms on the Basis of Neural Activity Data, Proc ICONIP, Lecture Notes in Computer Science, Springer, 7064, pp.485–494. 2011.
  • 3.倉重 宏樹, 大脇 崇史, 星野 博之, 加藤 英之 (2011), 多ニューロン活動データを使って設計する視覚情報処理アルゴリズム(Design Method for Visual Processing Algorithm Using MultiNeuron Activity Data), IEICE Tech. Rep. 110(461) NC2010-129:13-18.

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