2015年9月7日
ガスをカラフルな固体色で検知・検出できる新色素材料
理研No. 08313
発明者
神野 伸一郎、谷岡 卓、榎本 秀一(次世代イメージング研究チーム)
背景
産業ガスは、半導体、太陽電池、光ファイバーやLEDをはじめとした製造プロセスで使用されています。また、その用途や種類の拡大に従い、安全管理の設置が法令で厳格に定められており、多種多様なガスの物性に応じて、測定感度や精度の高い検知・検出法が必要となっていることは勿論、設備の増設や変更時にもコストパフォーマンス良く柔軟に対応できる手法が強く求められています。
概要
本発明者らが独自に開発したアミノベンゾピラノキサンテン系色素(ABPX)は、溶液と固体の両状態で複数の蛍光色や発色が変化する色素材料です。
今回、固体粉末に力学的な刺激を加えたり、ガスを暴露することで、発色や蛍光色が大きく変化する新たなABPX 誘導体の開発に成功しました。
図1:[原理1]ガスの吸着により、固体の発色と蛍光色が変化する様子
図2:[原理2]ガスの吸着と力学的刺激により、青色/近赤外の固体蛍光が可逆的に変化する様子
利点
- ガス分子の吸着により、固体色が無色から紫色に瞬時に変化
- ガス分子の暴露により、固体の蛍光色が青色から近赤外蛍光に変化
- 力を加えることで、系外にガスを放出でき、複数回、再生利用が可能
応用
- カラーセンシング材料
- セキュリティインク
- 染料、塗料
- 耐震材料
文献情報
- 1.特願2014-177531
- 2.J. Am. Chem. Soc.2015, 137, 6436-6439.
関連情報
- 1.2015年7月30日プレスリリース「外的刺激で蛍光波長が可逆的に切り替わる有機蛍光色素を開発」
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