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2016年1月7日

300ギガから10テラヘルツ波の吸収材料

理研No. 08418

発明者

高橋 陽太郎(創発分光学研究ユニット)、徳永 祐介、田口 康二朗、金子 良夫(強相関物性研究グループ)、十倉 好紀(創発物性科学研究センター

背景

テラヘルツ波は、金属以外のプラスチックや布をよく透過する電磁波です。X線検査と異なり、人体に無害なテラヘルツ波は空港の人体のセキュリテイ検査への実用化が進んでいます。荷物の非破壊検査、食品中の異物検査、損傷や劣化を調べるデバイス品質検査、医療への応用など広くテラヘルツ波を応用する研究が進んでいます。テラヘルツ波の利用が現実化するに伴い、テラヘルツ波の吸収材が必須の材料となります。本発明は、300ギガから10テラヘルツの広い範囲のテラヘルツ波の吸収材料を提供するものです。

概要

鉄を主成分とするフェライト材料においてテラヘルツ波とスピンの磁気モーメントゆらぎが結合し、エレクトロマグノン励起が起こることを発見しました。このエレクトロマグノンによる吸収はテラヘルツ領域に巨大な吸収を発生させます。この巨大な吸収効果はテラヘルツ吸収材として利用できます。300ギガから10テラヘルツ波の広い領域の周波数帯で吸収材料として使用可能です。原料は粉末形状の吸収材として使え、安価です。ペンキなどの塗布液に拡散して広い面積で用いることが可能です。また、フェライト結晶材料として用いれば偏光子としても使用できます。磁場などの外場によりテラヘルツ波の電磁波スイッチとしても利用できます。

吸収材の周波数のグラフ

図1:吸収材の周波数

偏光子の周波数グラフ

図2:偏光子の周波数

吸収強度の磁場のグラフ

図3:吸収強度の磁場

利点

  • テラヘルツ波の全域をカバーする吸収材料の提供
  • 粉末形状で使用可能であり、塗布が可能
  • 原料は安価であり、人体にも安全な材料

応用

  • 300ギガから10テラヘルツ波の吸収材料
  • テラヘルツ波の偏光子
  • テラヘルツ波のスイッチ素子

文献情報

  • 1.特願2015-159166

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