2016年5月6日
高品質・高アスペクト比微細加工を実現するフェムト秒ベッセルビーム最適化技術
理研No. 08477, 08291
発明者
杉岡 幸次(理研-SIOM連携研究ユニット)
背景
従来の固体貫通穴加工では、反応性イオンエッチングが用いられていますが、エッチング速度が遅く、かつフォトリソグラフィプロセスが必要でした。フェムト秒ベッセルパルスを用いると、マスクレス高速加工が行うことが出来ますが、加工穴周辺にベッセルビームのサイドローブに起因する損傷が生じます。本発明は、この問題点を解決し、高品質、高アスペクト比、テーパーフリー加工を実現します。
概要
ベッセルビームとは、微小な集光スポット(直径数μm程度)が長い距離(数mm以上)伝搬する光であり、固体材料の高アスペクト比、テーパーフリー加工を実現します。本発明は、ビーム整形技術によりサイドローブエネルギーを低減した最適なベッセルビームを設計し、高品質な材料加工を提供します。
図1:装置の模式図と生成されるベッセルビームの3次元強度分布
図2:通常のアキシコンレンズで生成されるベッセルビームと最適化されたベッセルビームの比較
図3:100μm厚Si基板へのTSV加工例
利点
- ベッセルビームの最適化
- 高アスペクト比加工
- テーパーフリー加工
応用
- 固体材料の穴あけ加工(貫通孔(TSV、TGVなど))
- 固体材料の切断、ダイシング
- バイオイメージング
文献情報
- 1.特願2016-024150
- 2.特願2014-113554
関連情報
- 1.2017年1月18日プレスリリース「高アスペクト比シリコン貫通穴の作製技術」
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