2019年8月9日
ガラス微細流路を用いた圧力駆動型環境発電機
理研No. 08785
発明者
田中 陽(集積バイオデバイス研究チーム)
ヤリクン ヤシャイラ(集積バイオデバイス研究チーム)
天谷 諭(集積バイオデバイス研究チーム)
背景
高度情報化社会では膨大な数のセンサーへのエネルギー供給が必要なため環境中のエネルギー利用は重要であり、電池利用を減らせるため環境負荷やコスト低減にも繋がります。中でも人にとり最も身近なエネルギー源は人の動きです。動きを利用した発電は、電磁誘導、圧電や静電誘導を用いたもの等がありますが、機械のような高速振動では高効率だが人の動作は秒・分以上であり効率は落ち、効率を上げると大型化してしまうという課題があります。
概要
本発明は、水とガラス微細流路の電気相互作用を利用した、人の動きに適した新しいタイプの環境発電機に関するものです。ガラスの表面電位により水中のイオンを圧力で分離することを基本原理としており、水がある限り発電を持続でき、原理的に長周期の発電に適しています。また、発電部分に機械機構を含まないため、小型化にも適しています。

図1:発電原理(上)、足踏み発電デバイス(下)

図2:本発明の発電デバイスの一例
利点
- ゆっくりした動きに対応可能
- 水とガラスのみで発電し、有害物質を含まず安全
- 安価に作製可能
応用
- 携帯電話など電子機器の電源
- 人の動きをセンシングし通信する健康状態管理デバイス
文献情報
- 1.PCT/JP2019/001360
- 2.Proc. IEEE MEMS, 2018, 677-680
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