終了した研究テーマ
研究テーマ
データの公開や先端大型共用施設の利活用による研究
新型コロナウイルス対策を目的としたスーパーコンピュータ「富岳」の優先的な試行的利用について
理研は、文部科学省と連携し、理研が開発主体となって開発・整備を推進しているスーパーコンピュータ「富岳(ふがく)」を、開発・整備の途上であるものの、国難ともいえる新型コロナウイルスの対策に貢献する成果をいち早く創出するために、可能な限り計算資源を関連研究開発に供出することとしました。現在、理研やその他の機関の研究者らによって、6つの課題が実施されています。
関連リンク
- 2021年2月18日プレスリリース「新型コロナウイルス感染の分子機構を解明」
新型コロナウイルスタンパク質の柔らかい構造を解明
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスである「SARS-CoV-2」のメインプロテアーゼと化合物の結合シミュレーションを行い、薬剤ポケットの柔軟なダイナミクスを明らかにしました(小松他、Sci. Rep. 10, 16986 (2020) )。また、シミュレーション結果のデータをリポジトリMendeley DataおよびZenodoにて公開し、研究者に提供しています。
関連リンク
- 2020年3月23日プレスリリース「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)メインプロテアーゼの分子動力学シミュレーションデータを公開」
治療薬・ワクチン開発のための研究
ナファモスタット吸入剤開発
ナファモスタットは、急性膵炎や播種性血管内凝固症候群などの治療薬として、国内で長年にわたって処方されている注射剤ですが、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の感染における最初の段階である、ウイルス外膜と感染する細胞の細胞膜との融合を阻止することで、ウイルスの侵入過程を効率的に阻止する可能性があることが分かっています。そこで、新型コロナウイルス感染の鍵となる気道や肺にナファモスタットが直接到達することを可能にし、かつ新型コロナウイルス感染者が簡便に使用できるナファモスタットの投与方法となる「ナファモスタット吸入剤」の実用化を目指し、東京大学、第一三共株式会社、日医工株式会社と共同研究を行っています。
COVID-19 特別プロジェクトについて
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な大流行に対応するために、理研のライフ系センターや外部研究機関と連携して治療薬の研究を開始しました。実験結果や計算結果について適宜公開し、グローバルの研究開発を支援し、共同研究、連携を積極的に推進しています。