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2011年8月31日

理化学研究所

「産業界との融合的連携研究プログラム」の2012年度(平成24年度)研究課題を募集

独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、「産業界との融合的連携研究プログラム」の2012年度新規研究課題の募集を、2011年9月1日から開始します。「産業界との融合的連携研究プログラム」は、理研社会知創成事業イノベーション推進センター(土肥義治センター長)が、産業界との新しい連携の試みとして2004年度から展開しているもので、企業主導のもと、研究課題の提案およびチームリーダーを受け入れて、理研内に時限的研究チームを編成するという企業側のイニシアティブを重視した研究プログラムです。

理研は、創出した幅広い分野の研究成果や最先端技術を広く社会に普及する、または技術移転を行うなど、研究成果の社会還元を実現するための取り組みを行ってきました。このような技術移転を効果的に進めるためには、リレー競技の“バトンゾーン”のような、理研の研究者と企業の研究者が、一定の期間、同じ方向に全力で突き進む場が必要であると考え、本プログラムを開始しました。

本プログラムでは、(1)企業のニーズに基づいた研究テーマの設定、(2)研究計画の共同作成、(3)企業からのチームリーダーの受け入れ、(4)理研と企業の研究者が参加する時限付きの研究チームの編成、(5)理研の研究設備などの活用、(6)研究予算は理研と企業の両者で負担する、という特徴をもって研究を実施します。現在、採択した課題について、11チームが研究を行っています。

今回、新たに2012年度に開始する課題を数テーマ募集します(提出締切:2011年11月25日(金)必着)。募集に伴い、9月1日から、事前相談窓口を開設するとともに、研究人材の情報提供として研究者データベース※を公開します。

本プログラムは、企業のイニシアティブを重視した理研の新しい技術移転の仕組みで、2004年の開始以来、より製品に近い形での技術開発が進められるなど、参加企業にとって大きな魅力となっています。理研は、本プログラムを通じて、バトンゾーンというユニークな産学連携モデルを提唱し、研究の場を提供することで、産業・社会との関係の一層の強化を図り、日本の産業技術の新しい展開に貢献していきます。

産業界との融合的連携研究プログラムについて

産業界との融合的連携研究プログラムは、これまでに理研で蓄積してきた、あるいは、新たに生まれつつある研究資産を活用して、企業のニーズに適合した研究課題について、企業のイニシアティブのもと、共同研究を実施することを特徴としています。本プログラムは、企業と理研が一体となって研究を進める「パラレルモデル」を具現化したものです。パラレルモデルとは、公的研究機関が生み出した有望な技術や特許を企業が受けて、それを実用化するという「リニアモデル」に対し、研究機関と企業が基礎・応用のいずれの段階でも、共に並走して研究開発を進めるというもので、前走者(理研)が次走者(企業)にバトン(技術や特許)を渡すために、1つの場所で、同じ方向に向かって全速力で走る場、つまり陸上競技のリレーの「バトンゾーン」に例えています。
本制度の詳細

2011年8月末現在、以下の11チームが研究を展開しています。

  • 植物微生物共生機能研究チーム(株式会社前川製作所)
    植物内生細菌の機能を活かした植物版プロバイオティクスの研究開発
  • 界面ナノ構造研究チーム(東京応化工業株式会社)
    微細加工プロセスに応用可能なポリマー薄膜材料の研究開発
  • 深紫外LED研究チーム(パナソニック電工株式会社)
    革新的深紫外LEDを用いたエコ・環境浄化デバイスの研究開発
  • 有機発光材料研究チーム(キヤノン株式会社)
    有機発光デバイスに用いる発光材料開発に関する研究
  • フィルムデバイス調査研究チーム(TDK株式会社)
    テープキャスト法による有機半導体デバイスの調査研究
  • 遺伝子検査システム研究チーム(パナソニックヘルスケア株式会社、株式会社ダナフォーム)
    全自動遺伝子検査システムの開発
  • 生体反応制御材料研究チーム(ゼオンメディカル株式会社)
    生体親和性を有する人工硬膜、血管吻合補助材料の開発
  • オミックス創薬研究チーム(株式会社未来創薬研究所)
    次世代シーケンサーを用いた独自の転写ネットワーク解析システムによる創薬ターゲットの同定
  • 動物細胞培養装置研究チーム(佐竹化学機械工業株式会社)
    動物細胞に最適な低剪断培養装置の研究開発
  • バイオ・ラマン計測調査研究チーム(株式会社東京インスツルメンツ)
    生体分子のラマン分光測定とその応用のための調査研究
  • 腸管微生物研究チーム(カルピス株式会社)
    プロバイオティクスの腸管への影響研究

上記のほか、これまでに13チームが本プログラムによる研究を終了し、現在、それぞれの企業において製品開発などが進められています。

募集内容とスケジュール

(1)応募条件

理研の研究成果を活用して、実用化・製品化を目指す課題。

(2)スケジュール

9月1日(木):事前相談受付、提案募集開始
11月25日(金):提案募集締切
12月~3月:採択提案可否内定、共同研究計画書作成、共同研究契約協議
4月:共同研究契約締結、研究チーム設置、研究開始

(注)理研の各研究室、研究チームなどの研究内容については、理研ホームページを参照。

【アクセス方法】
①トップページ→ページ右上のサイト内検索でキーワード入力→該当研究室へ。
②トップページ左側メニュー「研究者の方向け」内「研究室主宰者等一覧」(50音順で掲載) → 研究室名をクリック → 研究室紹介(研究室プロフィール、研究テーマ、主要論文、研究室HP(ある場合))を掲載。

お問い合わせ先

独立行政法人理化学研究所 社会知創成事業 連携推進部 イノベーション推進課
中山 孝之(なかやま たかゆき)
高木 直美(たかぎ なおみ)
Tel: 048-462-5459 / Fax: 048-462-4718
yugorenkei [at] riken.jp
※[at]は@に置き換えてください。

報道担当

独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当
Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715

補足説明

  • 1.
    研究者データベース
    連携研究に積極的に参加を希望する理研の研究者を登録し、産業界に発信するデータベース(研究者データベース)。2011年8月現在184人の研究者を登録している。

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