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2022年12月19日

理化学研究所

理化学研究所の研究者4名が「日本学術振興会賞」を受賞

理化学研究所から4名の研究者が「令和4年度 日本学術振興会賞」を受賞しました。

「日本学術振興会賞」は人文学、社会科学及び自然科学にわたる全分野において、国内外の学術誌等に公表された論文・著書・その他研究業績により学術上特に優れた成果をあげたと認められた45歳未満の若手研究者に贈られる賞です。

加藤 雄一郎主任研究員の写真
加藤 雄一郎

開拓研究本部 加藤ナノ量子フォトニクス研究室 主任研究員
光量子工学研究センター 量子オプトエレクトロニクス研究チーム チームリーダー

受賞業績『カーボンナノチューブ精密計測技術の開発と光量子素子創成への応用』
分光学的手法を用いて、数千本からなる単一カーボンナノチューブ(CNT)の個々の原子構造(カイラリティ―)を自動計測し、これを精密に識別する手法を開発しました。これにより、カイラリティ―が精密制御されたCNTを選択計測することが可能となり、これまで困難であったCNT特性分散を押さえた光学的・電気的特性評価に道を拓きました。

コメント
このような名誉ある賞をいただき大変光栄です。これまでお世話になった人たちへの感謝の気持を忘れずに、今後も期待に応えられるよう夢をもって研究に取り組んでいきたいと思います。
北島 智也チームリーダーの写真
北島 智也

生命機能科学研究センター 副センター長、染色体分配研究チーム チームリーダー

受賞業績『哺乳類卵母細胞における染色体分配エラーの原因の解明』
マウス卵母細胞の全染色体を三次元追跡するライブイメージングを独自に確立し、染色体分配エラーの要因として、卵子に内在する特徴や老化依存的因子の存在を明らかにしました。卵子に内在する特徴として、細胞の大きさに着目し、卵子では細胞が大きいゆえに染色体を引っ張る紡錘体が不安定であることを発見しました。また、個体の老化に依存して、染色体接着が減弱することを明らかにしました。

コメント
大変名誉ある賞をいただき光栄です。研究の成果は研究室メンバーの努力の賜物であり、感謝と誇らしい気持ちです。また、常に支えてくれる家族に感謝します。今後とも研究に邁進して参ります。
村山 正宜チームリーダーの写真
村山 正宜

脳神経科学研究センター 触知覚生理学研究チーム チームリーダー

受賞業績『知覚・記憶に関わる広域回路網の同定とその動作原理を理解するための新規技術の創出』
ファイバーフォトメトリー法と呼ばれる光ファイバー型光計測法を独自開発し、樹状突起が適切に抑制されることで感覚入力や運動の強度に比例して細胞が応答できることを発見しました。また、長年不明であった知覚・記憶固定化において、感覚野への入力が高次運動野に送られ回帰的に感覚野へ再伝播するトップダウン入力や、感覚野と高次連合野の同期的活性化が必須なことを明らかにしました。さらにオールジャパン産学官連携により超広視野高速2光子顕微鏡を開発し、覚醒中マウスの15脳領域から17,000個の神経細胞活動を同時計測できる世界最速・最大規模の神経活動記録を達成しました。このように村山チームリーダーは、新規技術の創出と、それらを応用した広域領野・回路研究分野における独創的かつ卓越した成果を挙げました。

コメント
名誉ある日本学術振興会賞を頂き大変光栄に存じます。学生、留学時代からご指導いただきました先生方、理研ラボメンバー、共同研究者、メンターの先生方、ご推薦くださりました先生、関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。
藤井 啓祐チームリーダーの写真
藤井 啓祐

量子コンピュータ研究センター 量子計算理論研究チーム チームリーダー
大阪大学大学院 基礎工学研究科 教授
量子情報・量子生命研究センター 副センター長

受賞業績『量子コンピュータ実現のための量子計算理論および量子ソフトウェアの先駆的研究』
ノイズのある量子コンピュータのアルゴリズム、および誤り耐性量子コンピュータの分野で独創的・先駆的業績をあげている第一人者であり、具体的には、誤り耐性量子コンピュータの設計理論、そしてNISQデバイスの量子アルゴリズムの開拓において、先駆的な成果をあげています。特に、機械学習と量子コンピュータをつなげた量子レザバー計算や量子回路学習は、NISQデバイスをAIへと応用する世界初の提案です。

コメント
このような素晴らしい賞を頂き大変光栄に思います。これまで私の研究を支えてきてくださった、家族、共同研究者、学生の皆さん、事務方の皆様に感謝申し上げます。量子コンピュータの実現に向けてこれまで以上に研究に励みたいと思います。

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