創発物性科学研究センター 十倉 好紀 センター長、于 秀珍 チームリーダー(電子状態マイクロスコピー研究チーム)が、「スピン渦結晶の直接観察とその物性の研究」の業績により、第20回江崎玲於奈賞を受賞することが決定しました。
この賞は、日本国内の研究機関においてナノサイエンスおよびナノテクノロジー、または量子効果が顕わに関わる物性分野の研究に携わり、新分野の開拓が期待できるとともに世界的に高い評価を得た研究業績を挙げた研究者、原則1名に贈呈されます。
十倉 センター長、于 チームリーダーの両氏は、2010年磁場制御により安定なスピン渦の2 次元的な結晶を実現し、電子顕微鏡により渦構造を実空間で直接観察することに成功しました。その後、スピン渦結晶が、広い温度範囲(低温から室温以上)で安定し、敏感な電気応答を示すことや、超低電流で駆動できることなどを発見しました。それによりスピン渦結晶を支配する基本原理と物性を解明し、次世代の大容量メモリなどへの応用の可能性を示しました。
授賞式及び、記念講演会は2月下旬~3月中旬につくば国際会議場にて行われる予定です。
受賞者のコメント
十倉 センター長
江崎先生の御名を冠したこの高名な賞を受賞したこと、光栄に存じます。すべての研究成果は多くの共同研究の賜物であり、共同研究者の方々に深謝いたします。
于 チームリーダー
十倉 センター長と共に江崎玲於奈賞を受賞できたことを大変光栄に思います。共同研究者やサポート・応援してくださった皆様に深謝いたします。受賞を励みに、今後も未知の研究領域に挑戦して参ります。この素晴らしい賞を頂戴し、心より感謝申し上げます。