
理化学研究所(理研)計算科学研究センター(R-CCS、センター長 松岡 聡)は、2024年3月25日(月)、経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択事業である量子・スパコン連携プラットフォームプロジェクト[1]のキックオフシンポジウムを、共同採択者であるソフトバンク株式会社(ソフトバンク)と共に行います。
計算科学研究センターでは、経済産業省、NEDOが公募を行った「ポスト5G[2]情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発(委託)」事業にソフトバンクと共に採択され、「計算可能領域の開拓のための量子・スパコン連携プラットフォームの研究開発」に着手しております。本事業ではソフトバンクや共同実施者である東京大学および大阪大学と協力し、量子コンピュータ[3]とスーパーコンピュータ(スパコン)[4]を連携するための汎用性の高い量子・HPC連携システムソフトウェアの研究開発と、これを用いた量子・スパコン連携プラットフォームの構築、ポスト5G時代のネットワークで提供されるサービスとして展開する技術の実現に取り組んでおります。
本シンポジウムは、当事業の目的や研究内容を、将来のユーザー層である研究者や企業、学生などを対象に、広くお知らせする機会を設けることを目的とし、プロジェクトに携わる理研やソフトバンクによる取り組み内容の説明のほか、本プロジェクトで設置する量子コンピュータのベンダーであるIBM社・Quantinuum社によるロードマップの説明、事業項目代表者による事業項目ごとの内容の紹介を行います。報道各社の皆様におかれましては、ぜひ取材をご検討いただけますと幸いです。
イベント概要
- タイトル
- 量子・スパコン連携プラットフォームプロジェクト キックオフシンポジウム
- 開催日時
- 2024年3月25日(月)13:00 - 18:00
- ※会場参加の場合/12:00から 受付開始
- 開催場所
- ステーションコンファレンス 東京 サピアホール
(東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー 5階)- ※ハイブリッド形式|参加費無料・事前登録制
- 共催
- 理化学研究所計算科学研究センター、ソフトバンク株式会社
- 後援
- 高度情報科学技術研究機構、HPCIコンソーシアム、量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)、大阪大学サイバーメディアセンター、大阪大学量子情報・量子生命研究センター、量子イノベーションイニシアティブ協議会、東京大学情報基盤センター、文部科学省(予定)、経済産業省
- 参加登録
- 量子・スパコン連携プラットフォームプロジェクト キックオフシンポジウム特設サイト|ソフトバンク
参加登録および懇親会について
シンポジウムに参加ご希望の方は上記特設サイトから参加ご登録をお願いいたします。シンポジウム終了後、会場を移して18時半頃から懇親会(参加費4,000円(予定)、先着100名)を予定しています。懇親会にも参加ご希望の場合は、シンポジウム参加登録の際、併せて懇親会への参加登録もお願いいたします。懇親会の詳細は、参加ご登録者宛て事前にご連絡予定です。先着順のため、満席の場合はご容赦ください。
開催趣旨
理化学研究所(理研)とソフトバンクは、経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募したプロジェクトである「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発(委託)」における開発テーマ「(g1)量子・スパコンの統合利用技術の開発」に採択され、量子コンピュータとスーパーコンピュータ(スパコン)の連携利用を目指すプラットフォームの研究開発を2023年11月に開始しました。今回共同採択者であるソフトバンクと共に、当事業の目的や研究内容を、将来のユーザー層である研究者や企業、学生などを対象に、広くお知らせする機会を設けることを目的として開催いたします。
シンポジウム プログラム
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時間 | プログラム | 登壇者 |
---|---|---|
12:00 | 開場受付開始 | |
13:00 | 開会挨拶 | 五神 真(理化学研究所 理事長) |
13:20 | 来賓挨拶 | 経済産業省/NEDO/文部科学省 |
13:35 | 計算科学研究センターによる挨拶 | 松岡 聡(理化学研究所 計算科学研究センター センター長) |
13:50 | 休憩 | |
14:00 | NEDO JHPC-quantumプロジェクトの概要 | 佐藤 三久(理化学研究所 計算科学研究センター 量子HPC連携プラットフォーム部門 部門長 本プロジェクト研究開発統括責任者) |
14:20 | ソフトバンクの次世代計算基盤戦略 | 丹波 廣寅(ソフトバンク株式会社 執行役員 テクノロジーユニット統括 データ基盤戦略本部 本部長) |
14:50 | Future of HPC: Integrating Quantum and Massively Parallel Computing | Antonio Corcoles 氏 (IBM T.J. Watson Research Center, Principal Research Scientist) |
15:20 | Quantinuum's strategy: full-stack integrated road map, and our visions for the HPC-quantum hybrid computation | Rajeeb Hazra 氏 (Quantinuum Chief Executive Officer) |
15:50 | 休憩 | |
16:00 | 量子コンピュータ、スーパーコンピュータ連携への期待 | 天野 英晴 氏(慶應義塾大学理工学部 教授) |
16:30 | 産業界での量子コンピュータ活用に向けた豊田中央研究所の取り組み | 佐藤 勇気 氏(株式会社 豊田中央研究所 量子コンピューティング研究領域 研究員) |
17:00 | 各事業項目のご説明 | 各事業項目代表者 |
17:55 | 閉会 | 佐藤 三久(理化学研究所 計算科学研究センター 量子HPC連携プラットフォーム部門 部門長 本プロジェクト研究開発統括責任者) |
- ※本プログラムおよび内容については予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください
補足説明
- 1.量子・スパコン連携プラットフォームプロジェクト
量子コンピュータとスーパーコンピュータを連携するための量子・HPC連携システムソフトウェアを研究開発し、これを用いてこれまでのスパコンのみでは困難だった領域の計算を可能とする量子・スパコン連携プラットフォームを構築する。既存のスパコンのみの計算に対し量子・HPC連携アプリの優位性を実証するとともに、この計算プラットフォームで実行される量子・HPC連携ソフトウェアをポスト5G時代のネットワークで提供されるサービスとして展開する技術を開発する。- ※2023年11月20日お知らせ「量子コンピュータとスパコンを連携利用するためのプラットフォーム研究開発プロジェクトを始動」
- 2.ポスト5G
第5世代(5G)通信技術の後継として開発される次世代の通信技術を指す。5Gは、高速のデータ通信、低遅延、大容量のデータ伝送などの特徴を持ち、モバイル通信やインターネット・オブ・シングス(IoT)などのさまざまな応用分野で革新的なサービスを提供している。ポスト5Gは、これらの特徴をさらに向上させるとともに、新たな技術や機能を追加して、より高度な通信インフラ、すなわちより高速なデータ伝送速度、より低い遅延時間、大量のデバイスとの接続性の向上、エネルギー効率の改善を目指している。 - 3.量子コンピュータ
量子ビットを操作することにより、量子力学の原理で計算を行うコンピュータ。古典的なコンピュータでは、情報はビット(0または1の状態)として表現されるが、量子コンピュータでは、量子ビットまたはqubitと呼ばれる量子力学的な要素を利用して情報を表現する。これにより、量子重ね合わせと量子もつれなどの現象を利用して、複数の状態を同時に処理し、複雑な問題を高速に解決することが可能。一方で現在実用化されている量子コンピュータはノイズありのもの(NISQ: Noisy Intermediate-Scale Quantum Computer)であり、量子コンピュータのみでは規模拡大と計算結果の誤り訂正の両立が困難で、実用化には時間を要する見込みである。その改良にはスパコンの計算パワーが必要となり連携は必須である。 - 4.スーパーコンピュータ(スパコン)
非常に高速で大規模な計算を実行できるコンピュータ。スパコンは、科学、工学、ビジネスなどのさまざまな分野で使用され、大規模なデータ解析、シミュレーション、モデリングなどの計算上の課題を解決するために利用される。今回、量子コンピュータと連携予定のスパコンには計算科学研究センターで開発されたスーパーコンピュータ「富岳」も含む。
問い合わせ
シンポジウムへの参加に関するお問合せ
ソフトバンク株式会社
Email:GRP-jhpc-quantum-kickoff [at] g.softbank.co.jp
メディア・取材に関する問い合わせ
理化学研究所 計算科学研究推進室アウトリーチグループ
Email:r-ccs-koho [at] ml.riken.jp
※[at]は@に置き換えてください。