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2024年4月11日

理化学研究所

理研とアルゴンヌ国立研究所がAI for Scienceに関する覚書を締結

本日、公表された日米首脳共同声明において、理化学研究所(理研)およびアルゴンヌ国立研究所がAI for Scienceで連携していくことが首脳間で歓迎されました。

去る2024年4月5日、理研およびアルゴンヌ国立研究所は、AI for Science (AIを活用した科学研究の革新)に関する覚書を締結しました。オンライン形式で開催された調印式では、理研の五神 真 理事長とアルゴンヌ国立研究所のPaul Kearns 所長が覚書に署名し、理研から仲 真紀子 理事、計算科学研究センター 松岡 聡 センター長、最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)事業本部 科学研究基盤モデル開発プログラム 泰地 真弘人 プログラムディレクター、アルゴンヌ国立研究所からRick Stevens 副所長が署名に立ち合いました。

また、2024年4月9日、文部科学省と米国のエネルギー省は、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)およびAIに関する事業取決めを改訂し、日米両政府間の連携枠組みに、新たにAI for Scienceを位置付けました。

理研およびアルゴンヌ国立研究所は、本覚書に基づく連携・協力によって、日米両政府間に設けられたAI for Scienceの枠組みの中で、中核的な役割を果たしてまいります。

覚書における連携・協力内容

  • AI for Scienceに関する科学技術研究情報の相互利用
  • 学習や開発したモデルの検証等に用いる研究用データセットの相互利用
  • 研究用計算機資源の相互利用
  • 研究およびロードマップ作成に関する協力
  • AI for Scienceに携わる研究者およびスタッフの交流
  • 講演会、共同セミナー、シンポジウムの共同開催
  • AI for Scienceに携わる学生(特に博士課程学生)の交流

理研およびアルゴンヌ国立研究所は、両機関におけるAI for Scienceの取り組み全体を発展させるため、生成モデルその他のAI、アプリケーション、コンピューティングシステムの運用、データ管理技術、新しいコンピューティングシステム・ソフトウェアや、科学技術アプリケーションの開発・評価を通じて協力関係を構築することに合意しました。

AI for Scienceの目的のもと、多様な科学研究データを活用した基盤モデルの追加学習などをすることで、特定科学分野(ドメイン)指向の科学研究向けAI基盤モデルの研究開発を推進します。ライフサイエンス、物質・材料などのさまざまな科学分野を対象としたアプリケーションの研究開発に取り組むとともに、そのためのデータ生成、関連する実験やシミュレーションの自動化・高速化技術開発、基盤モデルの性能評価、システムソフトウェア開発、データ管理技術やコンピューティングシステム運用技術の開発などの基盤技術の研究開発を進めます。また、両機関の協力に当たっては、研究協力だけでなく、最先端の研究動向の共有のほか、理研のスーパーコンピュータ「富岳」やアルゴンヌ国立研究所の「Aurora」をはじめとする世界有数の計算資源や研究用データセットなどの相互利用を実施し、互いの強みを生かして研究開発を加速させます。

米国はエネルギー省でAI for Scienceに関する新規プロジェクトを立ち上げるなど、本研究分野におけるフロントランナーであり、アルゴンヌ国立研究所はその中心機関の一つです。一方、理研は、2023年度から科学研究向けAI基盤モデルの開発・活用を行うTRIP-AGISプロジェクトに着手するなど、本研究分野で日本をリードしています。このような両機関の協力により、世界的に競争の激しいAI for Scienceの研究推進を日米がリードすることが可能となります。理研の強みである多様な科学の知見とデータや、「富岳」をはじめとする最先端の研究環境を生かして、アルゴンヌ国立研究所と協力しAI for Scienceを発展させていきます。

調印式の様子

五神 真 理事長、Paul Kearns 所長の写真 (左:理研 五神 真 理事長、右:アルゴンヌ国立研究所Paul Kearns 所長)

泰地 真弘人 プログラムディレクター、五神 真 理事長、仲真 紀子 理事の写真 (左:理研 最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)事業本部 科学研究基盤モデル開発プログラム 泰地 真弘人 プログラムディレクター、中央:五神 真 理事長、右:仲真 紀子 理事)
Paul Kearns 所長、Rick Stevens 副所長の写真 (左:アルゴンヌ国立研究所Paul Kearns 所長、右:Rick Stevens 副所長)

仲 真紀子 理事、五神 真 理事長、松岡 聡 センター長、泰地 真弘人 プログラムディレクターの写真 (左から、理研 仲 真紀子 理事、五神 真 理事長、計算科学研究センター松岡 聡 センター長、最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)事業本部 科学研究基盤モデル開発プログラム 泰地 真弘人 プログラムディレクター)

両機関からのコメント

理研 五神 真 理事長

理研とアルゴンヌ国立研究所は、昨年10月のトップ会談に始まり、連携すべき具体的なアイディアについてワークショップを開催するなど、意義深い議論を深めてきました。このような緊密なやり取りをもとに、この日を迎えることができ、アルゴンヌ国立研究所のみなさまに感謝します。
本覚書への調印をもって、正式に両機関でのAI for Scienceの連携が開始されることとなります。理研の持つ各分野の最先端プラットフォーム群を有機的に連携させるTRIP(Transformative Research Innovation Platform of Riken Platforms)構想のもと、理研はアルゴンヌ国立研究所と連携していきます。
生成AIは私たちの社会をあらゆる面から大きく変えるものとなります。これを人類すべての幸福のために活用できる有益なものにすることは、現代の科学者の責務です。理研とアルゴンヌ国立研究所は、普遍の真理を求め探究を続ける科学の力を信じ、日米間の連携のもと国境を超えた多様な取り組みで、互いの強みを生かし、世界のAI for Scienceの発展に貢献していきます。

アルゴンヌ国立研究所 Paul Kearns 所長

アルゴンヌ国立研究所と理研は、極めて重要な発見と変革をもたらす進歩を生み出しうるパートナーシップを結びました。私たちは、社会が直面する最も複雑な課題のいくつかに取り組んでおり、この協力によって、さらに大きなインパクトを達成できると確信しています。

AI for Scienceについて

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理研の取り組み~TRIP-AGIS~

TRIP-AGISの図

お問い合わせ先

理化学研究所 国際部 国際課
Email: iad-collab [at] riken.jp

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理化学研究所 広報室 報道担当
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