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2022年9月27日

大阪大学
理化学研究所
東京大学

日本人集団に特徴的な同類交配の遺伝的影響を発見

-パートナーの類似性によって次世代に現れる特定の形質-

大阪大学大学院医学系研究科の山本賢一助教、岡田随象教授(遺伝統計学/理化学研究所生命医科学研究センターシステム遺伝学チームチームリーダー)らの研究グループは、東京大学大学院新領域創成科学研究科の鎌谷洋一郎教授らと共同でバイオバンク・ジャパンに集積された日本人集団のゲノム情報を用いて、身体的特徴の類似性に基づくパートナー形成(同類交配)が次世代へ与える遺伝的な影響を明らかにしました。

これまで集団遺伝学における同類交配の研究は大規模なパートナーのゲノム情報の必要性や、対象集団における集団構造化の問題から、欧米人集団以外での研究は進んでいませんでした。

今回、研究グループは、最近開発された集団構造化を考慮した染色体間のポリジェニックスコアの相関を用いる新規手法(Yengo L. et al. Nat Hum Behav. 2018)を、バイオバンク・ジャパンを中心とした日本人集団17万人のゲノム情報に適用し、日本人集団における同類交配の遺伝的な影響を網羅的に探索しました。81形質を対象に解析した結果、2型糖尿病、心血管疾患、軽い運動習慣、食生活習慣において親世代の同類交配の影響が存在することを解明しました。さらに、欧米人集団の代表的なコホートであるUKバイオバンクに適用した結果と比較することで、例えば身長は、欧米人集団では同類交配の影響が強いが、日本人集団では欧米人ほど強くないことが判明し、同類交配の影響は集団によって異なることを明らかにしました。

今回の研究により、パートナー形成が及ぼす次世代への身体的特徴や健康への影響の解明や健康増進への応用が期待されます。

詳細は大阪大学医学系研究科・医学部のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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