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2022年10月28日

東京大学
理化学研究所
九州大学

二次代謝物シデロフォアによる分裂酵母の適応生育と一次代謝への影響

微生物は細胞間でコミュニケーションをすることでその生息環境を構築・維持しています。しかし細胞間のコミュニケーションには未解明な点が多く、例えばそこでは多様な代謝物が介在すると想定されていますが、これまでに理解されているのはそのごく一部です。東京大学大学院農学生命科学研究科のPo-Chang Chiu研究生、西村慎一講師、吉田稔教授らのグループは、理化学研究所および九州大学のグループと共同研究を行い、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeが示す適応生育現象は「フェリクローム」と呼ばれる鉄にキレートする分子(シデロフォア)により誘導されることを明らかにしました。この適応生育にはアミノ酸輸送体Cat1が必要であり、二次代謝物であるフェリクロームがアミノ酸代謝を制御する可能性が示唆されました。フェリクロームは1952年に単離されて以来、鉄に強力に結合するという分子機能は明らかですが、生理機能はほとんど不明のままです。本研究はフェリクロームが窒素代謝を制御し細胞間コミュニケーションで機能するという新しい生物活性を明らかにしており、本代謝物の知られざる生理機能を解明するきっかけになると考えています。

詳細は東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部のホームページをご覧ください。

報道担当

理化学研究所 広報室 報道担当
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