計算科学研究センター 離散事象シミュレーション研究チーム
チームリーダー 伊藤 伸泰(D.Sc.)
研究概要
現代は高度科学技術情報社会といわれますが、平和・天災・貧困など根源的な課題が多く残っています。
これは社会問題解決のための研究が脆弱なためと考えられます。これらに対しエクサさらにゼタスケール計算機は強力な手段となると期待されています。科学技術上の問題解決の道具から社会課題への知恵を生み出すものへの進化、これが「京」の10ペタにより垣間見えた未来です。この進化の実現を目指して、構成要素に基づいた自然・社会現象のシミュレーション技術を研究することが本チームの目的です。
物質世界は原子・分子からなり、また社会も人・法人・運輸機械・お金・証券からなります。
自然・社会ともに、こうした離散的な数理模型により表現され、また自然現象・社会現象自体も決して滑らかには変化せず離散的な事象なため、こうした問題は一般に「離散事象シミュレーション」と称せられます。具体的には沸騰・凝集・乱流・破壊といった物質のふるまいから交通・疫病・経済取引・電力網などまでを念頭に、「京」・「富岳」用のソフトウエアを目指します。
研究主分野
- 数物系科学
研究関連分野
- 情報学
- 複合領域
- 社会科学
キーワード
- 統計物理学
- 計算物理学
- 複雑系
- 非平衡現象
- 非線形現象
主要論文
- 1.Hiroshi Watanabe, Masaru Suzuki, Hajime Inaoka, and Nobuyasu Ito:
"Ostwald ripening in multiple-bubble nuclei,"
The Journal of Chemical Physics, Vol. 141, No. 23, 234703 (2014). - 2.Yohsuke Murase, Janos Torok, Hang-Hyun Jo, Kimmo Kaski, and Janos Kertesz,:
"Multilayer weighted social network model"
Physical Review E, 90, (2014) 052810. - 3.Yohsuke Murase, Takeshi Uchitane, and Nobuyasu Ito,:
"A tool for parameter-space exploration"
Physics Procedia 57 pp. 73-76 (2014)
研究成果(プレスリリース)
-
2024年8月20日
「富岳」で探る社会規範の進化
関連リンク
メンバーリスト
主宰者
- 伊藤 伸泰
- チームリーダー
メンバー
- 村瀬 洋介
- 研究員
- 吉岡 直樹
- 研究員
- 楳本 大悟
- 客員研究員
- 鎌田 十三郎
- 客員研究員
- 井上 寛康
- 客員研究員
お問い合わせ先
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-26
Email: nobuyasu.ito [at] riken.jp
※[at]は@に置き換えてください。