2014年6月17日、ロシアカザン大学(KFU)において、協力覚書の調印と理研-KFU連携研究室の開設式が行われました。本覚書は、生体機能化学分野で両機関が協力し、ターゲットとなる組織や癌等を選択的に認識する、革新的な糖鎖クラスタの開発・応用を目指しており、その連携研究を推進するため、KFUに連携研究室(Biofunctional Chemistry Laboratory)が設置されました。
理研とKFUは、低温物理分野で長年連携研究を推進しており、2010年11月に、KFUの物理学研究所に連携研究室を設置しました。KFUとの二つ目の連携研究室になるBiofunctional Chemistry Laboratoryは、有機化学発祥の地であるKFUに新しい研究分野として導入されるため、KFUより研究室スペースや人員・研究費の支援を受けて発足しました。また、本研究室は、理研の田中克典准主任研究員とKFUのA. Kurbangalieva博士が共に主宰し、田中准主任研究員が開発した革新的な糖鎖合成・修飾方法を用い、上記の糖鎖クラスタの開発を目指していくことになります。
調印式に引き続いて、午後には、「Elemento-Organic Chemistry Enhanced by a New Series of Versatile Bulky Protecting Groups "Rind"」というタイトルで、玉尾皓平グローバル研究クラスタ長による記念講演会と田中准主任研究員による連携研究の紹介が行われ、その後、連携研究室の開設式が行われました。
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理研の玉尾クラスタ長とKFUのIlshat Gafurov学長
連携研究室にて連携研究室のメンバーと(左端がKurbangalieva博士、右端が田中准主任研究員)