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2022年1月20日

理化学研究所

2021年中間理化学研究所アドバイザリー・カウンシル (Interim RAC) の開催について

理化学研究所(松本紘理事長)は、研究所の運営及び研究活動に関して、国内外の外部有識者がレビューを行い理事長へ提言を行う「理化学研究所アドバイザリー・カウンシル(RAC)」を定期的に実施しています。

昨年11月に2021年中間理研アドバイザリー・カウンシル(2021年中間RAC/Interim RAC 2021)を開催しましたので、その概要を報告します。

2021年中間RAC/Interim RAC 2021について

今回のRACは、これまで5年間であった中長期目標・中長期計画期間が第4期(2018~2024年度)から7年に変更されたことを受けて、当該期間の中間年度(2021年度)において、前回、2019年度第 11回 RACの主たる提言のフォローアップ状況等について中間報告を行うことを目的に開催した、初めてのInterim RAC(中間RAC)でした。

2021年11月25日に中間RACを、それに先立ち事前会議を11月17日に開催し、各研究分野において世界的に著名な科学者が委員として参加しました(RAC委員名簿(英語))。なお、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の影響により、初めてのオンライン開催となりました。

会議では、前回RACの主たる提言である「人材育成とダイバーシティ」(提言1/諮問 2.2)及び「産業界との連携(理研鼎業など)」(提言7/諮問4)への対応、さらに、新型コロナウイルス感染症のパンデミック下における理研の対応について、報告及び意見交換が行われました。特に、「人材育成とダイバーシティ」のセッションでは、所属センター、職位、雇用形態、専門分野、性別、国籍などが異なる若手研究者4名の発表も行われ、国内外における若手研究者の人材育成を担う理研が、世界的研究リーダーを育成し続けるためのより良い研究環境、システム及びサポート体制等について、若手研究者も交えて活発な議論が交わされ、RAC委員から多くの示唆に富む意見が出されました。

議題

  • 1.「人材育成とダイバーシティ」(前回RAC提言1/諮問 2.2)への対応
  • 2.「産業界との連携(理研鼎業など)」(前回RAC提言7/諮問4)への対応
  • 3.新型コロナウイルス感染症のパンデミック下での理研の対応

RAC委員からの主な意見

「人材育成とダイバーシティ」への対応について

  • 若手研究者の人材育成等に関する取組について
    • 共同研究やインターンシップ等を通じた国内外の研究機関や企業等への派遣など、連携機関とも協力した若手研究者の育成に係る取組を推奨する。
    • 日本では博士課程へ進学する学生が減少傾向にある。科学の重要性が再認識されている今だからこそ、次世代を担う中高生に対して、SNSなどを通じて積極的に活動をアピールすることを期待したい。
  • 女性研究者の採用と定着を促進する取組について
    • 現在、事業所内託児施設の利用期間は最長36月(3年間)と定められているようだが、施設経営とのバランスを保ちつつ、より柔軟な利用基準について、施設側と協議を開始することを期待したい。
    • 産前・産後、育児休業に伴う雇用期間の延長や業績評価への配慮を強く推奨する。
    • 日本において、女性研究者の獲得競争は極めて激しく、女性比率を維持するだけでも多大な労力を要する。理研が用いるジェンダーバランス指標について、国内の他機関との比較を行うことを推奨する。グッドプラクティスの発見につながると考えられる。
  • 外国人研究者の採用と定着を促進する取組について
    • 海外機関での研究歴が豊富な管理職を増やすことは、外国人研究者の支援への理解と雰囲気を醸成し、ダイバーシティを推進する一助となるだろう。
  • 研究環境の改善等に関する取組について
    • 若手職員が経営陣に直接提案できる手段・場があれば、理研の研究環境等をさらに改善する有効な手段となるだろう(例:提案箱など)。

「産業界との連携(理研鼎業など)」への対応について

  • 理研鼎業の取組等について
    • 理研の研究者と肩を並べて共同研究の推進等を行うに当たり、スタッフの博士号取得者の比率を上げることを推奨する。
    • 理研と理研鼎業間のミッションを調整する管理組織の設置を強く推奨する。
    • シーズ志向の活動だけでなく、社会の状況を踏まえたニーズ志向の活動など、活動の幅を拡充していくことを期待する。
事前会議の写真 2021年11月17日事前会議の様子
RAC 2021の写真 2021年11月25日Interim RAC 2021の様子

今後の対応

理研は、今回RAC委員より出された意見を真摯に受け止め、迅速に対応策を検討し、次回第12回RACで報告する予定です。また、その検討結果は、理研の運営や研究活動に適切に反映します。

問い合わせ先

国立研究開発法人理化学研究所経営企画部企画課(RAC事務局)
Email: riken-rac [at] ml.riken.jp ※[at]は@に置き換えてください。

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