大野 博司 副センター長(生命医科学研究センター)が免疫学・腸内細菌学研究への功績を評価され、令和5年秋の紫綬褒章を受章することが決定しました。
業績の概要
腸内には膨大な数の細菌群、腸内細菌叢が共生しています。われわれ宿主は異物である腸内細菌叢を無条件に受け入れているわけではなく、人体最大の免疫組織、腸管免疫系を発達させ、腸内細菌叢を排除しようとしていますが、その仕組みは不明でした。大野博士はそのメカニズムについて世界を先導する研究を進めてきました。また、腸内細菌叢は宿主の健康や病気に大きな影響を与えると考えられてきましたが、その詳細も不明でした。大野博士は、様々な網羅的解析法を駆使して、様々な疾患の病態における腸内細菌の影響の分子メカニズムを次々と明らかにしています。
受章者のコメント
この度は、紫綬褒章という身に余る栄誉を賜ることになり、大変光栄に存じますと共に、まことに身の引き締まる思いでございます。長年の腸管免疫、腸内細菌の研究をご評価いただいたものと感謝申し上げます。ご評価いただいた業績は私一人の力でなし得るべくもないことは自明であり、これまでご指導・共同研究いただきました諸先生方や、私と共に研究を進めてくれた研究室の関係者の皆様に、改めて深く感謝の意を表します。まだしばらく研究を続けさせて頂けますので、これを励みにさらに精進する所存です。