南後 恵理子 チームリーダー(放射光科学研究センター 利用技術開拓研究部門 SACLA利用技術開拓グループ 分子動画研究チーム/東北大学 多元物質科学研究所 教授)が第41回井上学術賞を受賞しました。
井上学術賞は、自然科学の基礎的研究で特に顕著な業績をあげた50歳未満の研究者に贈られる賞です。
南後 チームリーダーは、日本のX線自由電子レーザー(XFEL)施設であるSACLAにおいて、シリアルフェムト秒結晶構造解析(SFX)の技術開発を牽引し、バクテリオロドプシンを対象とした「分子動画」の観測に成功するなど、タンパク質の機能メカニズム解明に大きく貢献しました。さらに、国内外のXFELユーザー支援や技術普及にも尽力し、XFELを基盤とするタンパク質の動態研究の発展において極めて重要な役割を果たしています。このように、画期的な解析技術の実用化や発展を先導し、それを用いて最先端の構造生物学研究を推進していることが評価され、受賞に至りました。
贈呈式は2025年2月5日にKKRホテル東京にて執り行われる予定です。
受賞業績
光感受性タンパク質の動的構造と分子機構解明
コメント
私が学生の頃、タンパク質が機能する瞬間を原子レベルで明らかにすることは技術的に難しく、夢のような話でした。今世紀に入って実用化されたX線自由電子レーザーにより、光で反応する多くのタンパク質の動きや反応を観察することができるようになりました。本研究にご協力頂きましたSACLAの関係者の皆様、共同研究の先生方、研究室の皆さんに深く感謝申し上げます。